2010年08月04日

勃起と射精の仕組み

さて、時間の長短はあっても、早漏は、男性が射精をコントロールできないことが大きな問題です。


早漏について理解するには、まず勃起と射精の仕組みを知る必要があります。


【勃起のメカニズム】

勃起は、性的な刺激が神経につたわって、性器(陰茎)の動脈が拡張して血液が流れ込むこおとによって起こります。



まず、直接の刺激と6感【視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚・空想】により大脳皮質が刺激されると大脳が刺激されます。

例えば、女性からの直接の刺激や、女性の唇を見たり、声を聞いたり、香りをかいだり、触れたり、そして想像したりして大脳皮質が刺激されると、大脳が興奮してその刺激が脊髄を通って勃起神経まで届き、一酸化窒素が沢山分泌されます。

性器(陰茎)は陰茎海綿体と陰茎海綿体洞でできていて、陰茎海綿体はスポンジのような組織になっています。


■陰茎の断面図


■勃起時の動脈から陰茎への血液の流れ

陰茎海綿体洞は小さな穴になっています。

勃起は陰茎海綿体のスポンジが血液を吸い込むことで膨張します。

こうしてセックスに適当な硬さに硬直して勃起が完成します。


この勃起に必要な神経は「副交感神経」と呼ばれています。

 
では、この「副交感神経」は一体どういうものなのでしょうか?

人間には、交感神経と副交感神経の2種類の神経があります。

交感神経は、一言で言うなら、「活動の神経」。
敵やピンチに出会ったときに発動する。意識は張り巡らされ、消化の活動は抑えられます。






副交感神経は外界からの刺激に対して反応する自律神経系のひとつで、生体内のホルモンなどを制御しています。心身がリラックス状態の時に働く神経です。

そして、この「副交感神経」が男性機能への直接的な性的刺激あるいは「視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚」などの性的な刺激を勃起中枢神経へ運ぶことで勃起が起ります。

さらに具体的に説明しますと、副交感神経により運ばれた性的な刺激は、勃起中枢神経に到着し、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)が大量に分泌されることで、ペニス内の血管が広がって、血液が大量に海綿体に流れ込み、海綿体の静脈が締め付けられ、充血状態となって、勃起状態を導きます。


平静時には、交感神経系のシグナルと副交感神経系のシグナルの両方が互いに作用し、ペニスは萎縮と勃起の中間の状態にあります。

【射精のメカニズム】

性的な興奮が頂点に達し、ペニスの先端から精液が放出されることを射精といいます。射精は反射の一種であり、大脳が直接関与しないことを特徴とします。
ちょうど熱いものを触って思わず手を引っ込めたり、膝を叩くと足が持ち上がるのと同じ現象です。したがって自分の意志ではコントロールすることができない不随意運動にあたります。


射精の前段階

射精に先立って、体にはいくつかの準備的反応が見られます。一つは尿道球腺からの分泌、もう一つは睾丸の挙動です。

性的興奮が高まってくると、尿道球腺から透明な粘液が尿道に少量分泌され、外尿道口から滲み出してきます。この粘液は発見者の名をとってカウパー氏腺液とも呼ばれます。俗に「先走り」と呼ばれているものがこれにあたります。尿道は尿の影響によって酸性に傾いていますが、精子は酸性に弱いため、そのままでは射精されるまでに衰弱してしまいます。カウパー氏腺液は弱アルカリ性で、酸性に傾いた尿道を中和するとともに、適度に潤して精子が通りやすい環境を作るはたらきをします。

また射精が近づくと垂れ下がっていた陰嚢が小さく引き締まり、睾丸が徐々にせり上がってきます。射精の直前には睾丸はペニスの根元に張り付くように引き寄せられます。これは精巣上体から精子を一気に送り出すために必要な動作と考えられます。

射精を司る場所

射精を司るのは脊髄の腰椎という場所にある射精中枢のはたらきによります。勃起が副交感神経系に支配されるのに対し、射精は交感神経系が支配しています。

主に亀頭冠への刺激によって興奮が射精中枢に伝わり、ある限界を超えると生殖器に対して射精のシグナルを発します。単に刺激の強弱だけでなく、その蓄積がある一定量に達したときに指令が発せられるのが面白いところです。
限界に達するまではいつでも引き返すことができますが、少しでも限界を超えてしまうともう自分の意志では止めることができなくなります。このギリギリの限界を不帰点(point of no return)と呼びます。
射精中枢から指令が発せられると生殖器をとりまく筋肉が一斉に動き始め、肉体は射精に向かって突進するのです。


射精の二段階

射精というのは細かく見ると、精子が精管を通って精管膨大部まで運ばれ、前立腺内部が分泌液で満たされる第一の段階と、精液が尿道を通って放出される第二の段階に分かれています。ここでは特に前者を「収縮の段階」、後者を「放出の段階」と呼ぶことにします。



収縮の段階

射精中枢から指令が発せられると、睾丸がペニスの根元の方へ引き寄せられることから射精のメカニズムが発動します、そして精管に蠕動運動が起こり、精巣上体尾部に蓄えられていた精子は精管を通って前立腺後部にある精管膨大部まで運ばれます。精子は自分で運動することなく、精管の蠕動運動によってベルトコンベアーのように運ばれていきます。「あっ、出る」と思ってから射精が始まるまでのわずか3秒ほどの間に40cmもある精管の中をものすごいスピードで移動するのです。そして放出の段階に移るまでの間、精管膨大部でいったん待機します。

同時に前立腺でも射精に向けて準備が行われます。通常、尿道は前立腺をはさむ前後の二ヶ所にある筋肉で閉じられており、尿が漏れないようになっています。このうち膀胱に近い方を内尿道括約筋、尿道に近い方を外尿道括約筋といいます。射精が始まる前には内尿道括約筋が一層強く閉じられます。このため精液が膀胱に逆流しないようになっています。一方、前立腺内部を通る尿道は内尿道括約筋と外尿道括約筋の二ヶ所で閉じられた空間になっており、そこへ前立腺が収縮することによって分泌液が絞り出されます。このとき精管膨大部にある精子は射精管閉鎖筋によって堰き止められているため、まだ前立腺の方へは入ってきません。この閉じた空間が分泌された前立腺液で充満すると内部の圧力が非常に高まります。

放出の段階

前立腺尿道部が前立腺液で満たされ、内圧が非常に高まると、ついにこらえ切れなくなって外尿道括約筋が弛緩します。この瞬間から放出の段階に移ります。前立腺尿道部で圧力がかかっていた精液は一気に尿道へ流れ出してペニス先端の外尿道口から勢いよく放出されます。そして閉じられていた射精管閉鎖筋が弛緩し、精管膨大部で待機していた精子も前立腺へ送り込まれて前立腺液と混ざり合います。前立腺は自ら収縮して精液を尿道へ送り出すとともに、球海綿体筋、坐骨海綿体筋、会陰筋などの尿道を取り巻く筋肉が一斉に収縮して射精を助けます。さらにやや遅れて精嚢にも律動的な収縮が生じ、内部に蓄えていた精嚢液を前立腺尿道部へ絞り出します。したがって最後の方に放出される液体はほとんどが精嚢液で占められます。筋肉の収縮は通常十数回にわたって律動的に繰り返されます。最初は約0.6秒間隔で収縮しますが、次第に間隔が長くなり、勢いも弱まっていきます。




早漏の原因は自律神経のバランス異常

セックスの時は、まず副交感神経が優位に立って、勃起を促します。そうセックスにはまず副交感神経の働きが強くならなくてはいけません。

そして十分にセックスを満喫した後に射精です。この時に副交感神経から、交感神経にスイッチが切り替わり、射精します。

しかし、このスイッチが早く切り替わってしまって、交感神経が優位になり、射精命令が出てしまったら・・・・・・。

そうです。

これが早漏なのです。

そして、この交感神経と副交感神経の切り替えには、脳内ホルモンが深く関わっています。



posted by komura at 22:08| Comment(1) | TrackBack(0) | 早漏とは

女性にとっての早漏

女性にとっての早漏

男性のエクスタシーが射精に凝縮されているのに対して、女性のエクスタシーはキスから始まり、クリトリスをはじめ体全体への前戯で徐々に高まり、そしていよいよ膣への挿入で、最高潮のオーガズムへと至ります。

女性からすると前戯が終了して「いよいよこれ絶頂に」というときに、挿入したとたんに射精されてしまうと、自分だけ取り残された気分になってしまいます。



2005年アメリカで実施された平均性交時間(挿入から射精までの時間)を測定するための大規模試験(早漏基準タイム調査)によると、平均は7.3分でした。

また、日本のある雑誌のアンケート調査(男性120人)では平均14.2 分という結果が出ています。

1,500人の男性が協力したアメリカの大規模実験では、2分以下だった約200人の男性が「早漏」とみなされました。この数字は、13.3%に当たります。

東邦大学講師の永尾光一さんの調査報告によると、女性が希望する平均性交時間は16.7分でした。小学館の雑誌が日本人女性 1,000人(平均年齢 24.7歳)を対象に行った、希望する性交時間のアンケートでも平均で15.7分となっています。


◆ 女性パートナーが希望する膣内射精潜時
  (小学館「sabra」誌アンケート: 日本人女性1000人、平均24.7歳)

平均15.7分

3分以内希望: 3%

30分以上希望: 14%


つまり、男性は挿入してから16分間持てば、約半数の女性にセックスの満足感を与えることができるということになります。逆に、それ以下では、女性にストレスを感じさせることが多いということでもあります。


ただし、この分数による早漏の定義には大きな問題があります。

セックスの最中に正確な時間を計れる人ってそうそういません。
セックスの最中の体内時計ほど、あてにならないものはないんです。

楽しい時間は早く過ぎるように感じるし、苦痛であればとても長く感じるものです。


例えば、男性からたっぷり愛撫されて、体も心もコンディションが良くて、しかも焦らされて焦らされて待ち焦がれた挿入であれば、挿入から1分もたたないうちにオーガズムに達する事もあるでしょう。

逆に、オーガズムを感じた事がない女性や、体調が悪い時、気分がのらない時のセックスでは、どんなに男性が長い時間頑張ったとしても達する事はできませんよね。

1分でオーガズムを感じる事ができる女性であれば、1分30秒しかもたない男性であっても『早漏』ではないということになりますが、

最低でも挿入から15分は必要な女性にとっては大抵の男性が『早漏』という事になってしまいます。

射精までの時間がいかに短くてもパートナーが性的に充分満足していれば何も問題はないし、挿入して充分時間があってもパートナーがオーガズムに達しなければパートナーに不満が残るため時間では決めることは出来ません。

私は、「早漏」は、あくまでもパートナーとの関係で議論されるべき問題です。

大切なのは、パートナーの女性と貴方が性的に心も体も満足できること。

そこさえ間違わなければ、早漏の克服は難しいことではありません。
posted by komura at 22:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 早漏とは

早漏とは?早漏の定義

早漏とは?


早漏を克服する方法を学んでいただく前に、まずは早漏とはどういうものか。

まずは、勃起と射精の仕組み、早漏の原因を理解してください。

このことをよく理解することで、この後の克服を進めやすくします。


さて、早漏の「早」ですが、どれくらいの分数(秒数?)で射精してしまうと、早漏なんでしょうか?



●早漏の目安

早漏の医学的な定義には諸説ありましたが、2007年10月より国際性医学会議 (ISSM)の主導でエビデンス(客観的な事実や根拠)にもとづいた定義の検討が開始されました。その結果、第103回米国泌尿器科学会(AUA)の年次総会(2008年5月)で発表された次の定義が、今のところ最新のコンセンサスとなっているようです。

男性における性機能障害で、性行為時、毎回または、ほぼ毎回、女性器への男性器挿入後1分以内に射精してしまう、もしくは挿入前に射精してしまうこと。
射精をコントロールできないことによるストレス、悩み、いらいらなど精神的な負担を感じていること。あるいは、性行為自体を避けていること。 



◆ 参考: 早漏の定義(従来の諸説)

次の3つの診断基準を満たす場合を早漏と診断する。
(2003年・性機能障害に関する国際コンサルテーション会議(於・パリ)勧告)
(1) 膣内射精潜時が、短い。
※ 診断基準に合致する必要は無いが、膣内射精潜時の目安を、通常2分以内とする。
※ 「膣内射精潜時(intravaginal ejaculation latency time)」とは、膣内にペニスを挿入してから射精までの時間。
(2) 射精のコントロールが不能。
(3) 本人、またはパートナーの心理的な苦痛。

挿入前、挿入途中、挿入直後のいずれかの時点で、本人の意思に反して、最小の性的刺激で射精してしまい、これが反復ないし持続する状態。
(American Psychiatric Association : Diagnostic and statistical manual of mental disorders, 4th ed, Washington DC, 1994.)

膣内射精潜時が2分以内で、これが過去6ヶ月以上の間に性交の50%以上で発生する場合。
(Waldinger, M.D. : Paroxetine treatment of premature ejaculation : A double-blind, randomized, placebo-controlled study, Am J Psychiatry, 151 : 1377-1379, 1994.)

不十分な勃起状態で挿入前、挿入15秒以内の射精。
(World Health Organization : International classification of diseases and related health problems (10th ed.), World Health Organization, Geneva, 1994.)

挿入60秒以内の射精。
(McMahon, C. G. et al : Treatment of premature ejaculation with paroxetine hydrochloride. Int J Imp Res, 11:241-246, 1999.)

パートナーが希望する挿入から射精までの時間内で、射精をこらえられない場合。
(白井將文 : 早漏、泌尿器科診療 Questions & Answers, p1248-1249, 六法出版社, 東京, 1983.)



と、早漏の定義は様々ですが、
私は、個人的には、「何分」とか「何回」というのは、それほど大事ではないと思っています。

大事なのは、パートナーの女性と貴方が、セックスで満足を得られているかどうかだと思うのです。

時間が短くても、回数が少なくても、相手の女性がちゃんとオーガズムに達し、そして男性も満足できれば良いのです。ですから、ペニスを挿入することだけでオーガズムを得ようとする必要はなく、キスからクリニングスなどの愛撫も含めて、トータルでの満足を考えることが、とても大切です。


一般的に、性交経験の少ない若い時期には、極度の興奮で早漏気味になることがありますが、多くは経験を重ねることで解消されます。

十分な性体験を積んでいるのに起きる早漏は心因性のものが多く、いつも早いという悪循環ができ上がってしまうと、慢性化して治りにくくなりますので、注意が必要です。

posted by komura at 19:52| Comment(1) | TrackBack(1) | 早漏とは